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淋病の感染経路にはどんなものがある?母子感染のリスクはありますか?

2020年05月03日

淋病の感染経路はその大半が性行為、すなわち性器同士の接触です。したがって、症状も女性ならば子宮や卵管、男性ならば尿道や精巣上体と、性器周辺に出ます。ただし、原因菌である淋菌はヒトの粘膜に棲む性質があるので、性器と口唇が接触することで口内の粘膜が感染し、咽頭炎などの症状を引き起こすことがあります。また、肛門性交が感染経路となることもあります。この場合は、感染を放置していると菌が肛門から直腸に達します。逆に、直腸から肛門を経てパートナーの性器に感染することもあります。

淋菌はヒトの粘膜を離れると数時間程度で感染力がなくなり、やがて死滅してしまうという、きわめて弱い菌です。したがって、粘膜同士の接触がなければ滅多に感染することはありません。ただし、まれなケースとして下着やタオルなどを通じて感染した疑いのある事例も報告されています。

性行為以外の感染経路としては、母子感染を挙げることができます。これは、淋病に罹患した女性が妊娠・出産する際に、産道に棲みついた淋菌に接触して赤ちゃんが感染するというものです。典型的な症状は淋菌性結膜炎で、赤ちゃんの眼球を覆っている結膜と呼ばれる粘膜が淋菌に侵されます。目が充血したり、まぶたが腫れたり、膿漏眼といって膿性の目やにが大量に出たりします。その他、心内膜炎や髄膜炎、関節炎、尿道炎などを発症することもあります。

淋病の母子感染を防ぐには、言うまでもないことですが母親が淋病の治療を受け、原因菌を体内から一掃することが何よりも重要です。妊娠中に各種検診を受けるときは、併せて淋病の検査も受けることが推奨されます。また、赤ちゃんが淋菌性結膜炎を発症するのはおおむね出生後2日から4日程度経過した時点なので、この時期に異変が見られたら速やかに医師の診断を仰ぐようにします。

なお、淋菌性結膜炎は赤ちゃん以外でも発症します。まれではありますが、感染者が身体を拭いたタオルを使って顔を拭いたりした場合、そのタオルから菌が目の粘膜に移るケースがあります。また、性行為に類似した行為として、体液を顔面で受け止めたりした時にそれが感染の原因になったりもします。成人の淋菌性結膜炎は新生児よりも症状が強く出やすく、場合によっては角膜穿孔といって角膜に穴が開いてしまい、失明する危険もあります。目に違和感などをおぼえた時はすみやかに専門医を受診するとともに、リスクを増大させないよう日ごろの行動にも十分な注意が必要です。